将棋

棋王戦第4局。

続いて将棋の話。

今日は棋王戦第4局。
藤井五冠挑戦者が勝って棋王奪取を決めるか、渡辺棋王(と名人)が勝って最終局決着に持ち込むかという一局。

結果は藤井の勝利。

毎度おなじみの角換わり(という戦法名です)から、中盤戦で殴り合いに。渡辺は駒損しながらの攻めで、AI的には評価されていなかったが、藤井の対応もイマイチで互角の展開に。
しかし、お互いに時間が無くなった終盤で渡辺にミスが出て、そこから藤井が一気に寄せ切った。

渡辺も惜しいところまではいったのだが、いかんせん残り時間が無さ過ぎた。藤井相手に持ち時間が少ない状態で戦うのは厳し過ぎるんだよなあ。

というわけで、この勝利で藤井が3勝1敗とし、棋王奪取。ついに「藤井六冠」が誕生した。

そして残り二冠の内、名人は挑戦者になっている。
正直、渡辺名人では藤井は止められないかなあ…。


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王将戦第6局。

最後に将棋の話。

今日は王将戦第6局2日目。
藤井王将(その他四冠)が勝って防衛を決めるか、羽生九段挑戦者が勝って最終局に持ち込むかという一局。

勝ったのは藤井。

角換わり(という戦法名です)から先手番の羽生が銀を早めに繰り出しての速攻を仕掛けるが、藤井も冷静に対応。そして中盤での羽生の構想に少し問題があり、藤井が優勢に。その後、劣勢の羽生が多少無理気味な攻めを見せるが、これも藤井がきっちり対応し、終わってみれば藤井の完勝に終わった。

前回の第5局とは悪い意味で異なり、羽生の自爆的な将棋になってしまった。まあ、羽生も普通に指したら藤井に敵わないと見ての作戦なので、こういう展開もあり得る話ではあるのだけど。

というわけで、藤井の4勝2敗となり、防衛を決めた。
ただ、今回の王将戦は羽生の「奮闘」が感じられた。
正直、「今の羽生では藤井にストレート負けしてもおかしくない」とか思っていた。
それが蓋を開けたら2勝し、第5局では後手番で藤井に勝てそうな場面も作った。これを「奮闘」と言わずして何と言う。
あと、「藤井の先手番」に対して、普通に角換わりに持ち込まないという羽生の選択も面白かった。こうやって「作戦を散らす」ことで、藤井に対策を練らせず、自分だけやりたい作戦をやる、という手法は今後「対藤井対策」として他の棋士も真似するかもしれない。

そんなこんなで面白い王将戦だった。
願わくば、また「藤井に挑戦する羽生」を見たいです。


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藤井聡太、名人挑戦。

昨晩の話の続き。

昨日行われた、将棋のA級順位戦プレーオフ、藤井五冠vs広瀬八段。

結果は藤井の勝利。

昨晩22時半の時点で「藤井優勢」と書いたが、その後も悪手は無く、そのまま押し切った。

というわけで、藤井の名人挑戦が確定した。
今回のA級順位戦での藤井の結果は7勝2敗で、藤井にしては苦しんだ印象。
しかし、終わってみれば藤井が挑戦権を獲得。
広瀬、永瀬王座、豊島九段、斎藤八段、菅井八段での星の潰し合いが激しく、「藤井以外の誰かが独走する」という展開にならなかったのも大きかった。

藤井は今回の名人挑戦者では、谷川十七世名人が持つ「21歳2ヶ月での最年少名人」の記録更新がかかる。
そして、現在進行形の王将戦を防衛し、棋王戦で奪取できれば、名人戦の時は「七冠」達成なるか、という状況になる。

その名人戦は、4月5・6日に開幕する。
今からめちゃくちゃ楽しみです。

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A級順位戦プレーオフ。

続いて将棋の話。

今日はA級順位戦のプレーオフ、藤井五冠vs広瀬八段が行われた、いや「行われている」。

はい、22時半を過ぎてまだ終わっていません。

順位戦は持ち時間6時間と長く、それでいて封じ手が無いので、これくらいの時間になるのは自然ではある。

形勢は、先手の藤井が有利。
普通に行けばこのまま押し切れそうではあるが、残りの持ち時間が藤井が17分に対して広瀬が1時間半。
藤井が残りの少ない持ち時間で読み損なったら逆転があってもおかしくない。

とりあえず、このブログを書き終えたらABEMAで生中継を見る。
ちなみに、現時点でこの対局を見ている人(接続数)は416万人。凄いとしか言いようがない。


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甲斐女流五段の引退に思う。

今日は在宅勤務。
今日の東京はかなり暖かく、過ごしやすい一日だった。しばらくは気温も下がらないようで、春になったと思ってよさそうです。

今朝知って、今日の昼には確定の情報が流れてかなり驚いたニュース。

「甲斐智美女流五段引退のお知らせ」

・・・誰?と思うかもしれないが書かせてもらう。
甲斐は2010年代前半の女流棋界で活躍した女流棋士で、タイトル獲得は7期。2015年以降はタイトルは獲得できていないが、現時点でも女流順位戦では最上位のA級に所属している。そして最近ではマイナビ女子オープンの挑戦権を獲得し、健在っぷりを見せていた。

その矢先での突然の引退宣言である。

甲斐本人のコメントを見ると「一身上の都合」らしい。
まあ、深く追求してはいけないのかもしれない。

さて、引退宣言はしたものの、現時点で残っている公式戦は全て指すらしい。
ということは、上記のマイナビ女子オープンで「タイトル奪取して引退」ということもあるうる。
ついでに、甲斐は現時点で女流王位の挑戦者決定戦まで勝ち残っている。つまり、「マイナビ女子オープンと女流王位の二冠を獲得して引退」という可能性もある。

そういう展開を見てみたい、とかちょっと思ったり。

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棋王戦第3局。

続いて将棋の話。

今日は棋王戦第3局。
藤井五冠挑戦者が勝ってストレートで奪取を決めるか、渡辺棋王(&名人)が勝って巻き返すかという一局。

結果は渡辺の勝利。

角換わり(という戦法名です)から難解な中盤戦が続き、両者の王が上段に上がって相手の攻めを受け止めようとする不思議な展開に。しかし終盤で藤井にミスが出て渡辺がかなりの優勢に。
ただ、その後の渡辺は1分将棋(持ち時間が無くなり、一手1分以内に指さないといけない状態)に入ったこともあり、決め手を指しきれないまま泥沼の状況に。そして、一時は渡辺の必勝形に近いところまで行ったのに、ついに「藤井が渡辺の王を詰ませられる状況」になってしまう。
しかししかし、ここで藤井がまさかの見落としで詰みを読み切れず、再逆転。その後は渡辺がきっちり凌ぎ切ってどうにかこうにか勝った。

いやあ、この2人の対局でもここまで読み切れないものなのか、と思わせる将棋だった。まあ、ある意味「人間らしい将棋」だったと思う。

というわけで渡辺が意地の勝利で1勝2敗とした。
「後手番での勝利」なので、次の第4局で渡辺が先手番できっちり勝てれば最終局に持ち込むことができる。そう考えると今日の勝利は本当に大きかった。

そして、藤井はこれで「先手番での連勝」が28でストップ。
もし今日勝っていれば、羽生が持っている記録を更新できたのだが、「羽生との同率タイ」で終わってしまった。

棋王戦が面白くなってきた、というのもあるが、藤井もさすがに過密日程の影響が出てきているのかも、と思わせる一局でした。


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王将戦第5局。

最後に将棋の話。

今日は王将戦第5局2日目。
藤井王将(とその他四冠)vs羽生九段挑戦者の成績はここまで2勝2敗のタイ。ここを勝った方が防衛or奪取に王手をかける一局である。

勝ったのは藤井。

後手番の羽生が誘導する形で藤井が横歩取り(という戦法名です)に。羽生は後手番だとこの形を得意としていて、ついにここで出してきたか、とは思った。
序盤からお互いの飛車と角を両方交換する派手な展開になり、中盤で藤井が桂馬を跳ねて羽生の王を狙う形に。しかしこの手はAI的には悪手で、ここで羽生が強く反撃に転じれば羽生が優勢だった。
しかし、ここで羽生は踏み込めず、藤井がペースを握る。その後藤井が優勢のまま終盤を迎えるが、羽生の受けの手に藤井が対応を誤り、羽生に再びチャンスが訪れる。
しかししかし、持ち時間の少ない羽生は最善手を指し切れず、結局最後は藤井が寄せ切った。

いやあ、羽生にとっては本当に惜しい将棋だった。
後手番で藤井に勝てるチャンスなんてそうそう訪れないわけで(実際、第1・3局の後手番はノーチャンスだった)、「最善手を指せていれば」とは思ってしまう。冗談抜きで、全盛期の羽生なら勝ち切っていたかもなあ。

というわけで、危ないながらも藤井が勝って3勝2敗とし、防衛に王手をかけた。
ただ、次の第6局は羽生の先手番。
羽生も先手番ではきっちり勝っている。
願わくば、第6局は羽生に勝ってもらって、第7局(最終局)での決戦を見たいです。


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朝日杯オープン準決勝と決勝。

今日から4連休。

夕方に長男の習い事に付き添って、その後は家族4人で外食したくらいの一日。穏やかな一日でした。

今日は将棋の朝日杯オープンの準決勝と決勝戦が行われた。
朝日杯は全棋士参加のトーナメント戦で、持ち時間が短い(持ち時間40分で切れたら一手30秒以内に着手)のが特徴。
今回の準決勝には藤井五冠、豊島九段、渡辺二冠、糸谷八段が残っていた。

そして優勝したのは藤井。

準決勝は豊島九段と対戦し、形勢が二転三転するが、終盤では豊島が勝勢になり、実際「豊島が間違えなければ藤井玉は詰まされる」局面まで来ていた。
しかし、短い考慮時間の中で豊島は詰み筋を読み切れず、結局その後大逆転。九死に一生を得る形で決勝に進んだ。

決勝は糸谷八段を逆転で下した渡辺二冠。
後手番の渡辺が雁木に組むと速攻を仕掛けるが、そこは渡辺が上手く対応して互角のまま中盤に。しかし、その後藤井が駒損しながら猛攻を仕掛けると一気に優勢になり、最後はきっちり詰まして完勝。
2年ぶり4回目の優勝を果たした。ちなみに藤井は朝日杯は6回目の出場です。

まあ、豊島戦は99%負けの局面だったので、「盤石の優勝」とは言えない。
でもなんだかんだで勝ってしまうのが藤井の凄いところだとは思う。

さて、藤井はこの優勝の余韻も味わえないままに明後日から王将戦第5局を戦う。
ちなみに場所は島根県。そして、前夜祭もあるので明日には島根入りしないといけなかったりする。
さあ、藤井はこの過密日程を克服できるのだろうか。


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棋王戦第2局。

最後に将棋の話。

今日は棋王戦第2局、渡辺棋王(と名人)vs藤井五冠挑戦者が行われた。
渡辺が勝って1勝1敗のタイに持ち込むか、藤井が勝って棋王奪取に王手をかけるかという一局。
結果は藤井の勝利。
角換わり(という戦法名です)から先手番の渡辺が仕掛けるが、藤井も自陣に角を投入して対抗。その後、その角と渡辺の飛車が交換になる展開になり、少しずつ藤井が優勢に。その後渡辺も粘りながら藤井陣に食らいつくが、最後は藤井が長手数の詰み手順で一気に渡辺を寄せ切った。
最近の藤井は後手番で3連敗していたが(そのうち2局は羽生との王将戦)、今日は久々に勝利。堂々と渡辺の角換わりを後手番で受けて立ち、しっかり完勝するのだから大したものだ。これが「王者の勝ち方」というやつなのだろう。
これで藤井が2連勝となり、棋王奪取に王手をかけた。
そして次の第3局は藤井の先手番。
まあ、これは「藤井六冠誕生」間違いなしですだろうなあ。
もちろん、渡辺にも意地を見せてもらいたいのだけど。

 

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小山怜央新四段誕生。

今日の東京は午前中から雨が降り、昨日の暖かさが嘘のような寒さ。
まあ、今週で天気が悪いのは今日だけらしいので、その点はありがたいけれど。

将棋の話。
今日は小山怜央アマの棋士編入試験第4局。
ここまで2勝1敗の小山アマは、今日の横山(友)四段戦に勝てば試験合格となる大一番。

結果は小山の勝利。

後手番の横山の四間飛車に対し、小山は居飛車穴熊に構える。中盤で小山がうまく立ち回って大優勢に。これはこのまま一気に押し切るかと思ったが、横山の反撃への対応がまずく、形勢は「小山のやや優勢」くらいに戻る。しかしその後の横山の攻めも緩く、再び有利になった小山が最後はきっちり寄せ切った。

正直、横山は最近プロ入りした棋士の中では相当弱い部類で(22年度は勝率約4割)、今日の小山の勝利は「順当勝ち」と言っていい。
とは言え、きっちり勝ったのは素晴らしいの一言。

これで小山は史上初の「奨励会(プロ棋士を目指すための育成組織)の経験が無いプロ棋士」になった。
大学でアマ名人になり、大学卒業後は就職してアマチュア棋戦で活躍し、プロ相手でも勝ち星を重ねてついにプロ棋士になった。おそらくはAIを使っての研究や、アマチュア棋戦での実戦経験など、かなりの努力があったのだろう。
正直、普通に社会人生活している方が生活は安定すると思うが、それでもプロ棋士になる挑戦を選んだというのは凄いと思う。
今後も頑張って欲しいと思います。

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